受験生などがよくやる「暗記系の科目は寝る前にやる」という方法です。諸説あるようですが、脳は睡眠中に新しく覚えたことを整理してまとめ、一時保存する仕組みになっているそうです。それを利用し、寝る30分前に覚えて、しっかりと寝て、起きたらすぐに再確認するのです。私も実践していますがかなり効果があると実感しています。記憶力の落ちてきたおじさんにも十分有効です。
留意点としては、まず十分な睡眠時間を確保することです。アメリカのペンシルバニア大学とワシントン大学で行われた研究によると、長期記憶に効果的な睡眠時間としては8時間程度が理想なのだそうです。6時間以下の場合は認知機能が時間が経つにつれ低下するそうです。一夜漬けで一所懸命に勉強しても、睡眠時間が伴わなければ取り入れた情報を正常に処理できないので、長期間の記憶定着には繋がらないそうです。(加齢と共に睡眠時間が短くなりがちなので「8時間寝る努力」が必要です。)そして暗記した後はあれこれと別のことをやらずにさっさと寝ることです。暗記の後にネットサーフィンをしたりYouTubeで好きな動画を延々と見たりすると、記憶の定着が妨げられます。
ただ、継続するのが大変です。もちろん毎晩定期的やるのが理想ですが、できるとは限りません。社会人だと突発の残業もあるし付き合いの飲み会もあります。深酒をしてしまったら、単語どころか自分が何をしていたのかすら覚えていない状態、翌朝は二日酔いでやる気ゼロ、寝坊してあわてて出勤、こんな調子では暗記&確認どころではありません。小さなお子さんがいる家庭では、子供を寝かし付けているうちに自分もグーグー寝てしまうのはよくあることです。このようにやったりやらなかったりしているうちにだんだん億劫になり、遂にはやめてしまうことはよくあることです。そういったことから、この方法は効果はあっても継続がかなり難しいと思います。自分に厳しく毎日やろうと決めていたら、できなかった日があるとそれが挫折感や自分へのストレスになったりして、かえって学習へのモチベーションを下げてしまうはめになりかねません。正直言って私もHSKなどの試験日が迫ってきて詰め込み暗記が必要な時にしかやっていません。あまり肩に力を入れず、試験などの節目を設定して、それに向けた集中トレーニングみたいな意味合いで実施するくらいが丁度良いと思います。